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ーーーあの子が気になり始めたのは、もぅ2年以上前だ。
兄貴の絵画の作品を家族で見に行った時、それはそれはド派手な絵が展示してあった。
その作品の鮮やかさにも目を惹かれたが、タイトルの方が印象的だったのだ。
『モラトリアムの駆逐』
その時まだ中2だった俺は、この意味の分からないタイトルの絵に深い感銘を受けた。
名札を見ると、何と同じ学年で
また驚いた記憶がある。
その後兄貴の作品展に着いて行く度に、彼女の絵を真っ先に探していた。
高校に入って、クラス分けの名簿欄に彼女の名前を見つけた時は
思わず声をあげそうになったくらいだ。
クラスは違ったが、憧れの人に会えるかもしれないと思うと、期待に胸が膨らんだ。
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