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でも。
「また絵描くのに集中し過ぎて、仕事の事忘れるなよ?
お前、絵描いてる時に近寄り難いオーラ出てるから」
俺ばっかり我慢するなんて、やってらんないだろ?
彼女の去り際に、多分気付かれてないと思い込んでいる事を言ってやる。
え?と言って振り返った彼女に、もう一言。
「手伝ったお礼は、そーだなぁ……。
こないだから仕事中に描いてる絵、見せてよ」
わざと躊躇った感じで言って、相手を揺さぶる。
思惑通りに彼女は顔を真っ赤にさせて、怒ったように睨みつけてきた。
まぁ、はっきり言って恥ずかしさで泣きそうな顔だから、これっぽっちも恐ろしさなんて無い。
そして小さく口を震わせて、囁くように
「そんなとこ…
もう、知らないっ」
と言うだけ言って、慌てて逃げて行った。
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