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彼女の後ろ姿を見ても、さっき抱いた邪な欲求は跡形も無く消えていて、替わりに笑いが込み上げてくる。
色気とかは無いけど、それでいい。
あの子に、こんな欲望は似合わない。
そもそも彼女が描く独特な世界に興味を持って、そしてその人となりを知って好きになった。
せっかく純粋で力強い絵を描いているのに、俗悪な感情はその彼女の見ている世界観を崩していくかもしれない。
守る、とまではいかなくても、わざわざ自分の手で壊していくのは以ての外だ。
今はまだ、遠すぎず近すぎずな関係で良しとしよう。
そう思いながらソファーに戻ると、カウンターから慌ただしい音が聞こえた。
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