-退学-

6/14
前へ
/326ページ
次へ
本当は、ホッとしていた。 凌央様が、記憶喪失になっていて。 昔の私を忘れ、リョウ君の面影が、そこになかったこと。 1から始められる。 恋が出来る。 そう思ったの。 だって、貴方が昔の私を覚えていたら、 貴方が昔のまま、私を受け入れてくれるようだったら、 好きになるのがもっと、辛くなるから。 でも、貴方は私を優しく突き放してくれた。 だから、好きだと、素直に言えた。 自分勝手だよね、本当に。 好きなんて言いながら、愛せないだなんて。 こんなことなら、 背中を追いかけない方が良かったのかな。 だけどね……。 .
/326ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5601人が本棚に入れています
本棚に追加