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俺は嫌な予感がした。
嫌な予感がした時はだいたい当たってた
家に対して嫌な事があるとしたらどう考えても...
いや止そう。勘違いだと良いが。
そうやって俺はいつもより重く感じるドアを開けた。
"だいたい誰かが家に居るから"という甘い考えで
いつも家の鍵は開いていた。普通に
考えてそれはおかしい事だと解っていた
でももう今さら遅かった。
家に入ると重苦しい空気が俺を纏った
「うっ....!!」
強烈な鉄の臭い、あまりにも酷い。
今までにも嗅いだことない酷い臭い
鉄と言うよりも血生臭....い、
「誰だ....?」
電気の付いてない薄暗い部屋の中で
微かに揺れ動く影。ヒト以外のナニか
「ア.....アァア、シ....ィ、」
「え
一瞬の衝撃と共に
体が重力に素直に引っ張られ一気に下へ落ちる
猛烈に下腹部が熱く感じた。
「熱い.....
え?
」
足が、
右足が斬られ
斬られた。
大事な、大会の為の、大事な足が、無くなった
俺の体から熱く煮えたぎるような痛みと共に消えた
全然痛くない、何故か猛烈に悲しくなってくる
そんなヒトとしてなりたたない俺は床に倒れた
目の前には微かに残った面影からわかったソレがあった。
「母さ......、」
それから俺は目を閉じた。
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