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口元をこう、ぷくーっと膨らませた状態で僕を見ていた。
「何?」
僕の学校始まってから初めて明日菜にかけた言葉がこれでした。
なんと情けない。
「何?じゃないわよ!」
ですよね…
怒るよね…
あれ?
僕は姿勢を低くして、頭を抱える形になりながら、上を見上げると…
彼女は泣いていた。
「あ…あの…大丈夫?」
自分ながら、またしても情けない。
「大丈夫…じゃ…ない」
彼女は泣きながらこちらを見つめていた。
「入学して、直ぐに君を探したんだよ…一年生の教室全部回って、まさかと思って自分のクラスを探したら君がいた。嬉しかった…なのに君はいつも私と目が合っても避けるし、話しかけようとしたら、さっきみたいに自分には関係ないみたいな態度でいなくなるし…なんでなの?」
彼女の顔を見ていられなかった。
泣きながら話す言葉を聞いていると、罪悪感で自殺しそうになるくらいに…
僕は黙ったまま、うつむいたままだった。
「なんで話ししてくれないの?私が嫌いなの?」
「違う!俺は君が…」
そこまで口に出た…
けど、先は言えない。
僕と関わると…彼女が嫌な思いをする。
だから…
そのまま立ち去る。
僕には、これしか出来ない…
彼女のために
けど、彼女は僕を追いかけてきた。
「待って!」
泣きながら、怒りながら、僕の腕を強く握り締め、離さない。
「僕と関わったら…君のかぶが下がるよ…」
情けない声で僕は彼女に、僕に言い聞かせるようにいった。
「だから、僕に関わっちゃ駄目だ…」
「かぶなんて関係ない!」
彼女はまだ泣きながら、僕の腕を強く握り締めていた。
「私のかぶとかどうでもいい!なんでそんな事言うの?」
「僕はこの学園に入ってから…いや、小さい頃から人に嫌われてきたんだ…目つきが悪いとか言われて…だからかな…友達以外の人とかあまり巻き込みたくないんだよ…」
その言葉の後、僕は凄い勢いのビンタをくらった。
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