第1話 八雲と明日菜!

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口元をこう、ぷくーっと膨らませた状態で僕を見ていた。 「何?」 僕の学校始まってから初めて明日菜にかけた言葉がこれでした。 なんと情けない。 「何?じゃないわよ!」 ですよね… 怒るよね… あれ? 僕は姿勢を低くして、頭を抱える形になりながら、上を見上げると… 彼女は泣いていた。 「あ…あの…大丈夫?」 自分ながら、またしても情けない。 「大丈夫…じゃ…ない」 彼女は泣きながらこちらを見つめていた。 「入学して、直ぐに君を探したんだよ…一年生の教室全部回って、まさかと思って自分のクラスを探したら君がいた。嬉しかった…なのに君はいつも私と目が合っても避けるし、話しかけようとしたら、さっきみたいに自分には関係ないみたいな態度でいなくなるし…なんでなの?」 彼女の顔を見ていられなかった。 泣きながら話す言葉を聞いていると、罪悪感で自殺しそうになるくらいに… 僕は黙ったまま、うつむいたままだった。 「なんで話ししてくれないの?私が嫌いなの?」 「違う!俺は君が…」 そこまで口に出た… けど、先は言えない。 僕と関わると…彼女が嫌な思いをする。 だから… そのまま立ち去る。 僕には、これしか出来ない… 彼女のために けど、彼女は僕を追いかけてきた。 「待って!」 泣きながら、怒りながら、僕の腕を強く握り締め、離さない。 「僕と関わったら…君のかぶが下がるよ…」 情けない声で僕は彼女に、僕に言い聞かせるようにいった。 「だから、僕に関わっちゃ駄目だ…」 「かぶなんて関係ない!」 彼女はまだ泣きながら、僕の腕を強く握り締めていた。 「私のかぶとかどうでもいい!なんでそんな事言うの?」 「僕はこの学園に入ってから…いや、小さい頃から人に嫌われてきたんだ…目つきが悪いとか言われて…だからかな…友達以外の人とかあまり巻き込みたくないんだよ…」 その言葉の後、僕は凄い勢いのビンタをくらった。
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