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「なんで…そんなこと言うの?私…巻き込まれるとかそんなのどうでもいいのに…」
「良くない!」
僕はどなるように口を開いていた。
「良いわけないだろ!僕みたいな奴といたら、どんな噂がたつかわからないんだぞ!」
僕の…
心からの言葉が口に出ていた。
「変な噂なんて…どうでも…」
その言葉を僕は最後まで言わせない。
「良くないに決まってるだろ…君がよくても僕は困る…」
彼女は泣いたまま、その場に座り込み、うつむいていた。
少し時間がたってから彼女は口を開いた。
「私達…きっといい友達になれたはずなのに…」
僕もそう思う…
僕がこんなんじゃなかったら。
「諦めない…」
彼女の口からそう発せられた後、涙を拭い、こちらを見つめてくる。
「私は諦めないから…八雲君の事諦めない!」
「…」
こんな事を言ってくる人が初めてだったせいか、僕の口からは何も出なかった。
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