プロローグ

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「はいっ!!」 隣の池谷が何か叫んだ。 ん?今どんな状況かって? そう 今は中学校の卒業式を行っている最中だ。 これを聞いただけでは対して驚かないだろう。 誰でも一度はやる行事だからな。 けど、今起きた事を注目してほしい。 池谷が壇上に泣きながら上がった瞬間だ。 女子が鳴いた。 泣いたのではない。 ......鳴いたのだ いや卒業ってものはさ、やっぱ皆静かにしているもんじゃん? そりゃ~多少は、すすり泣きする者や保護者の赤ん坊が大声で泣く事や父親のくしゃみが案外うるさくて、 う~~~ん...... ってなる場面も出てくるとは思う。 それは仕方ないわけよ。 でもな。 鳴くってのはどうだ? 今文化祭? ううん今卒業式。 しかもこんな現象を起こしているにも関わらず、当の本人は罵声を浴びていると思っている反応しているしさ。 これから先、こいつどうなるんだ? 知りたいことは山ほどあるが、これだけは覚えておいてほし... 「脇谷拓海!」 「い。...あ、はい。はい!」 「...腐れ外道!」 なんか後ろから聞こえたし。 「最後の最後であいつかよ~」 「んね~...締まりわる~..」 「うげぇ!」 様々な罵声を浴びながら(春人よ、これが罵声だ。)俺は壇上に上がった。 「卒業、おめでとう」 「ありがとうございます」 俺は丁寧にお辞儀をして校長から卒業証書を手に取り、後ろへ振り向き、一歩前へ出た。 「脇役いなきゃ主人公なんて成り立たねえよ!!!!!!」
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