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ヂリリリリ
...うあっと、もうこんな時間か。
俺は朝起きて真新しい制服に袖を通し、リビングへと向かった。
今日から俺も高校生だ。高校生活エンジョイするつもりさ。
なんて、ガラでもないことを思いつつ朝飯を食べた。
だって脇役だし...
時計を見ると時刻は8時となっていた。
「そろそろ出るかな」
俺の住んでるアパートは学校まで徒歩30分と、近くもなく遠くもなくと言ったところだ。
因みに訳ありで1人暮らしをしている。ここだけは主人公として誇れるスキルなんだな。
「辰男、んじゃ行ってくるな~」
特に誰でもないやつの名前を言って家を出た。
...いや~早速でしたか。
俺が家を出て階段を降りると、目の前には朝から暑いラブコメをしている主人公がいた。
「ちょっと、離してくれよ!!」
「いいじゃーん!別に減るもんじゃないんだし!!」
「わ、私だって好きでくっついてるわけじゃないわよ。ただ腕が勝手にくっつくの!」
「いや意味わかんないって!
...っと拓海!!いいところに来た。助けてくれ!」
ふっ、お任せあれ
「....俺のスウィートハニーたちいぃぃいいい!!「「近寄るな!!!!!」」
「ンゴォ!!!!」
二つの綺麗な蹴りは俺を壁にくっつかせた。おかしいな、動けないぞ。
「全く、朝からほんとキモイわ」
「もう!近寄らないで!!」
「そ、そんな~...ちょっとぐらい俺にもたわわなむ「「埋まれ!!!」」
ボキャ
あ、これはいったな。
「早く行こうよ春人!」グイッ
「春人!私が先行してあげるから早く腕に捕まりなさい!」ヒッパリ
「...おい拓海ーー!!!お前自虐して終わってんじゃねぇかよおおぉぉぉ!!...」
「え、皆ちょ、待って!!待ってくんないか!?抜け出せない!!抜け出せないんだよーー!!うわあああぁぁぁあああん」
3人の姿が見えなくなる。
....ふう
「..なんてな」
俺は壁から意図も容易く抜け出すと周りを見渡し、一呼吸おいてから歩き出した。
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