暁の時

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初めて興味をそそられたのは100年前の家庭向けの料理のレシピ集だった。 古代遺跡の安全な場所で結界をはり体を休めているとき丁度良い暇潰しにそれを開いた。 今より流通がなかった時代にサマエルという老婦人が書いたらしいその料理レシピを眺めていると、現代に通ずるメニューの他に聞いたこともないレシピのデザートがあった。しかも特別なデザートのようでそれをつくるには骨が折れる作業だと書いてある。 『準備、精霊の祝福、水晶、銀貨5枚。材料、白木の森の花畑の友人達の友情の証、風山の友人達の友情の証、フォーリ海の友人達の友情の証、水』 一体これはどんなデザートなのかと興味をそそられた。それでその遺跡の探検を終えるとどうしてもそのレシピを再現したくなった。 調べると精霊の祝福とはドルイド僧達の聖地ルッカオのお守りで金色のどんぐりのようなものだった。価格は食事一回分程。水晶も似たようなものだ。1番高額なのは銀貨で、宿に一晩泊まれる程だった。 婦人の本には、それぞれの場所にそれとわかる印があるからそこに正しい品物をおき、友人達を呼ぶとある。 白木の森の花畑の友人には精霊の祝福、風山の友人には水晶、フォーリ海の友人には銀貨五枚。 古い地図で調べると白木の森以外は現存していた。 取り敢えず、そちらから始めようとその場所を訪れた。
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