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「なに、たそがれてんの?」
「暑いのによくやるなーと思って。和馬部活は?」
「え?あ、あーいいんだよ。俺天才だから」
しどろもどろな和馬。
「さぼり?」
「補習。俺らの担任なにかと補習させたがるんだよなー」
スタスタとあたしの隣にくる和馬。
和馬は二年生。家も近所で小学校から可愛がってくれている。お兄ちゃん的存在。
「由香里は相変わらず可愛いね」
ニコニコしながらさりげなくあたしの頭をなでなで。
誰とでもすぐ友達になれる和馬。人見知りのあたしはすごく羨ましいと思う。
「そーやって何人の女の子虜にしてきたのー?」
嫌みたっぷりに言ったつもりがヘラヘラと笑う和馬。
「由香里は彼氏作んないの?」
「和馬だって特定の子作んないじゃん」
「俺の本命は由香里ちゃんだから」
目をキラキラさせながら軽く言う和馬。
女の子は和馬のそういうとこに騙されるんだよ。
「はいはい、冗談はいいから」
「おい、和馬」
廊下から和馬を呼ぶ声。
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