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「あれ、恵斗。先生に呼ばれてたろ」 「あーいいよ。どうせ単位が危ないとかだろ」 教室のドアにもたれ掛かるようにして和馬と仲良さげに話すその人は綺麗な顔立ちに背も高く、スラッとしていて腰ではいたズボンがやけに似合う。 あー、こういうひとをイケメンっていうんだろうなー。 「じゃ一緒に帰ろうぜ!」 「お前補習だろ」 「あんなもん俺様なら目つぶってても楽勝だっつーの」 「はいはい」 恵斗と呼ばれる人になんとなく見入ってしまった。 ほんとにきれいな顔立ちをしている。 「なに?」 いつの間にかジーッと見ていたらしく、あたしと目が合った。 「あ、ごめんなさい」 「ちょっ、恵斗。んな怖い顔すんなよ。俺の大事な大事な由香里が怖がってるだろ」 「ちょっ、抱きつかないで」 ぎゅーっと抱きつかれよしよしされる。 まぁ、いつものこと。
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