序章

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『思い出せ』 空耳? 『思い出せ…』 聞こえる。 さっきまで聞こえなかったのに 『俺とお前の絆を…。』 「絆?」 思い出せない…。 「絆って…あなたは一体?」 青年はそっと少女の頬から手を離し苦笑の顔を少女に向けると後ろを向きそのまま歩き始める。 「待って!!」 少女の声が聞こえないのか青年は後ろを振り向くこともなかった。 青年の長い髪が風に煽られたように靡(なび)かせる。 だが…手を伸ばすにも青年には届かない。 私は必死に手を伸ばした。 届かないと分かっていても 「待って****!?」 私は何かを叫んでいた。 だが…その時にはもう周りは白く染まっていた。 .
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