月の光が墜ちる

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「三成はわれでなく、……否われになど依存しておらぬわ」 佐助の事だ、どうせ軽い気持ちで問うたのであろうが いつもなれば適当にあしらいながら2、3答えてやればいいもの 自分でも驚く程、今日は口が軽いようだ そう、三成はわれではなく、家康に ……いや依存と言うには足りない程、奴に執着しているのだ 己の命よりも第一だった、 太閤を討った徳川 あの雨の中で見た三成の目には、『憎悪』と『復讐』と『殺意』 そしてそれに見え隠れしていたのは、紛れもなく失望と哀愁だ
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