残った夜を

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気味が悪い静寂ではあるが、何故か今の私にはどうも心地よく感じる うつらうつらと余韻に浸れば、 途切れながら見る夢は 秀吉様や半兵衛様、ましてや刑部でさえなく 憎い家康だった 「……チッ」 家康のせいで完全に目が覚めてしまった おのれ家康 夢にまで私を悩ますか、と心の中で毒づきながら身体を起こすと 打ち掛けと愛刀だけを手にして、三成は襖に手をかけた
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