月の光が墜ちる

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重い身体を起こすと、静かに眠りについている三成が、かすかに身を捩った 普段から眠りの浅い三成を起こさぬようにと、 するりと掛け布から抜け出すと、まだ夏の終わりだというのに ひやりと身を刺す外気に、刑部は思わず身を震わした …寒さがいつも以上に凍みるのは、感じることに気付ぬ内にまた病が進行したからか、 そんなことを考えれば、無意識に口元が皮肉げに弧を描いた。
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