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「徳川との戦は万全の状態でゆける方がぬしも良いであろ?」
「…っ家康」
憎々しげに呟いたその様に、軽く愉悦にも似た何かを感じながら髪から指を抜くと
名残惜しいのか、それを目で追う三成の額に口を落とした
もちろん包帯越しで、だ。
直に触れてしまえば箍が外れてしまう
月明かりの下、昼間のただただ殺気立つ三成の剣幕は今はなりを潜め、
不思議にも、どこか儚さと妖しさが白い肌に浮き、静かにそこにある
この男はどうにも、
作り上げられたかの如くとことん美しい
「もうしばらく寝やれ」
「ぎょう、」
これ以上引き止めさせぬように、刑部は言葉ごと口を塞ぐ
布越しの口づけは、どこか物足りなく感じた
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