月の光が墜ちる

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ぬしらの大将はどうも真っ直ぐにしか歩めぬようであるしな、とからかうように言ってやれば、 佐助はチラとだけ刑部を見るだけで、つまらぬ事に何も言い返してこない 「そーゆーこと、今ここで正式にってわけじゃないけどさ」 「ヒヒッわれとの口約束程、不確かなものはありませぬ故」 「…ま、俺様も人の事言えないけど」 西軍に加わるなれば何も問題などありはせぬ、と言うと、佐助は十分、とため息を吐いた 本当に疲れているのか、 それが演技なのかは解らぬが疲れを感じていたとしても仕方がないだろう 虎の名を継いでからまだ日は経っていない 迷走する大将の道を正していく副将の荷は、この忍の身に負担になっていても普通だろう
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