月の光が墜ちる

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同胞、と呼ぶ毛利であるが、 そんなわれらをただの傷の舐め合いだと吐き捨てた たしかに、 間違ってはいない、のだが 「石田の旦那、随分と大谷サンに依存してるみたいだけど」 「三成がか?それはソレハ」 意外なその返しに、思わず引き攣った笑い声を上げてしまった 「三成がわれに依存しておるなど、ヒヒッ…それこそありはせぬ」 「もっぱらの噂だぜ?」 「ぬしは知らぬよなぁ」 収まらない笑いにくつくつと肩を震わせる なんとも愉快 深夜の客がこれほどにまでわれを笑わせてくれるとは思いもせぬ 「三成は、」
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