猛暑の一室にて

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 が、この六畳一間の一城に十分に備えられていたであろう、三のつカップアイスは今では、目の前のわずかばかりのカップアイスばかりである。この一城に立て籠る前に、十分と手配されていたであろう、カップアイスが既に、こればかりというこの現実が、私を暗澹とした気持にさせるのであった。  こうして、ただ眺めるばかりだと、目の前のカップアイスが余計に冷たさを失い、いつか生温かくなってしまい、わずかに残ったそれの本来の働きさえも失う。それに気づいてはいるのだが、私には、どうしてもこのわずかばかりの希望を断ち切ろうという意思が湧きおこらなかった。この最後の一掬いを頂戴したあとは、只外から滲みよる奴らに怯え続けなければならないのだ。私にはそれが大変恐ろしく、とても耐えれそうになかった。
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