猛暑の一室にて

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 それから、幾ばくかの間、私は途方にくれながら、徐々に息を失いつつあるわずかのカップアイスを情けなく見ていた。そうしてふと、思った。私に特別な力があれば、そう、このカップアイスを有限から無限へと昇華せしめる、神通力にも似た何かが備えられれば、私は思う存分にカップアイスに貪りつくことができるであろうと。人が聞けば、一笑に付すであろうと途方もない考えが、その時の私にはどうもそうは感じられなかった。私には、ああどうして気付かなかったのだろうと、自分に呆れさえした。
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