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大学が休みだった今日は、 友達とカフェでプチ女子会ならぬもの。 「最近、うちらン中でさ」 付き合いだした子、いるよね と 誰かが言った。 聞けば大学で出会って一月で 告白されたようだ。 「ふーん。よかったね」 私は素っ気なく返事を紡ぐ。 氷が溶けそうなくらい暑い外側で ストローを持ち キレイに分かれた紅茶と氷の層を掻き回した。 あたし、今複雑な気持ちだ。 「まや、ちょっと大丈夫?」 手前に座った"かよ"が覗き込む。 「…うん。まあ。」 アハハ、と笑ってみせた。 ボケッとした私を見て心配したのだろう。 多分、かよが心配していることはこれだ。 私が 『他人の付き合い話とかつまんない』 と思っていることだ。 こういうとき、 私はよく顔にでてしまう。 『素直だよね、まやって。 だから男が寄ってくるんじゃない?』 前に誰かに言われたことが 今でも文面変わらず言われるのだ。 「考え事、しててさ」 言うや否や、注目が私に注がれたのは一緒だった。 「ねぇ、まや!こないだの安瀬くんどしたの?」 「あー、あの人か…。どしたの、って?」 「おいっ」 「ちゃんと返事したの」 「いい感じ?」 矢継ぎ早に質問が飛んできた。 「あのね、そんな沢山聞かれても答えられないし。それに安瀬は何 の関係もないので」 絵文字にある「手」のようなポーズをとった。 勘弁してよね
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