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「じゃあ、返事がきたら教えてよ」
「嘘でした、ってことはないよね」
「大丈夫。うちが初めて頑張ったから偽りはない!」
そう言い切っては見たものの、
新調したスマホを眺めてみてもメールが来る気配は無い。
その彼とは一昨日にメールをしてからそれきり。
会社の方が忙しいとかなんとか。
「まや、さっきも言ったけど大丈夫?上の空じゃん。彼と・・・何かあった?」
私が暫く呆けていたのをかよは見逃さなかったようだ。
もしかして、
と付け加えてこちらを見る。
私は
仕方ない
とでもいうような素振りで
スマホの待ち受けを皆の前に晒した。
「・・・メール。最近っていうか一昨日メールしたばっか。
次のバイトで居合わせたら有難いけど。」
それをみて、
麻里は羨ましそうに夢を見るような顔つきで言った。
「まや、本気で恋してんのね。でもいいなー…会社の社長さんなんだよね。」
なつきも便乗してきた。
「うん。
忙しいけど会えるときは格段と嬉しさが増すよ。
彼、
結構仕事が忙しくて毎日は会えないわけ。
時々会うことで
今までの寂しさが吹き飛ばされるって言うか」
「あーもー皆、私の話から花咲かせすぎ。」
イラついて紅茶
をガシャガシャに掻き乱した。
小さくなった氷がぶつかり合ってガラスの音が響いた。
「あ」
スマホが振動を伝えた。
彼からのメールだ。
皆が身を乗り出して
おおっ
と期待の声を上げた。
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