8693人が本棚に入れています
本棚に追加
だから、あたしも眉間に皺を寄せてやった。
あぁ。
前戯ってどのくらい時間をかけるんだっけ?
もどかしくて、久しぶりの行為に気持ちが急ぐ。
なのに彼の唇は、ゆっくりあたしの肌を這う。
目を閉じて噛みしめていたはずのあたしの唇からは、いつのまにか甘い声が漏れはじめて。
人の身体は不思議なもので、手順ってモノを覚えてる。
相手が何人変わったって、行為はかわらない。
あたしはゆっくりと探るように下ろした指で、彼を確かめる。
ゆっくりと。
味わうようにあたしの中に、潜り込む彼。
あたしの小さな悲鳴に合わせて、何度も何度も。
そして絶頂を迎えるまで──。
最初のコメントを投稿しよう!