信じるということ・2

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「食べてもいいですか」 好物だという小笠原にお伺いを立てて気になる饅頭を手に取った。 「あぁ。見た目よりもさっぱりしてて、お前も虜になるぞ」 へぇぇ。 全然味の予想がつかない。酒のツマミになるんだろうか。 男二人に見つめられながら思い切って口に運んでみる。 「んまっ」 天ぷらになったのにしつこさはなく、こし餡がトロリとして舌触りもイイ。 「だろ? たまんねぇだろ」 何故か小笠原が自慢気。 でんさんは当然というドヤ顔。 あたしはただただ美味しいのと嬉しいのと楽しいので満足。 「もうひとつイイですか」 返事を聞く前にかぶりつく。 「お前は何でも美味そうに喰うなぁ」 目を細めてあたしを眺める小笠原はいつになく優しい表情で。 ほろ酔いで上機嫌のあたしは何を言われても褒め言葉にしか聞こえなくて照れ笑い。 調子に乗ってもうひとつ手に取ると。 「それは俺のだろ」 手首を掴まれ饅頭を奪取された。
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