信じるということ・2

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でもこれだけは言わなくちゃ。 「でんさん、いろいろありがとうございました」 「何だい、急に」 突然かしこまるあたしに背筋を伸ばすでんさん。 あたしはずっと言いたかったことを思い切って言葉にする。 「あの時でんさんに言ってもらわなかったら、あたしは自分の気持ちに素直になれないままだったと思います。 でんさんに気づかせてもらわなかったら……」 でんさんが目を細めてあたしを見た。 とてもとても穏やかな目だ。 「それは違うよ。詩子ちゃんが自分を信じたからだよ。 信じて崇に向かってくれたから、アイツも変われたんだ。 俺は何もしてない」 「そんな……」 「ホント、詩子ちゃんは綺麗になったね」 でんさんのその言葉は、あたしの胸の奥を優しく撫でた。
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