信じるということ・2

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「宮野と話してないのか」 「……」 「らしくないな」 小笠原はそういうけど。 ──怖い。 詩織に会ったらドロドロした感情が蘇ってきそうで、怖さだけがまとわりついてくる。 何を言ってしまうかわからない自分が怖い。 「宮野とお前はその程度なの?」 「え……」 「お前はどうなんだ。宮野はお前が幸せになるならどんな努力だってするって言ってたぞ。 あれがウソとは思えなかったけどな」 何ソレ。いつの話よ。 そんな話、あたしは知らない。 「些細なケンカで無くしていいヤツかどうか、それくらいお前にもわかるんだろ。 お前をその辺の女と同じに考えるな、よく考えろ、って俺に凄むような女だ。 おっかねぇけどイイ女じゃねぇか」 いつの間にか到着したマンションのエントランス。 エレベーターの最上階ボタンを押した小笠原が振り返る。 そのニヤついた顔がたまらなくムカついた。 「あたしの知らない所で勝手にあたしの話なんかしないでっ」 小笠原の顔が一瞬曇ったのがわかった。 それでも他の女に対して珍しく友好的な小笠原がやっぱり気に入らなくて。
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