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そんなの決まってる。
あたしが素直になれる言葉をくれればいいだけ。
「………って言って」
「あ?」
至近距離なのに届かないあたしの声に屈む小笠原。
気持ちの中では威勢がよくても緊張で震える唇。
その唇をできるだけ背伸びをして小笠原の耳元へ。
「好きって、……言って」
こんなこと、男の人におねだりするのは初めてで。
でも、どうしても聞きたい。
聞いて安心したい。
「あたしのこと好きなら、好きって言ってください……」
──言っちゃった。
ここまで男の人に執着して欲しがるのははじめてかも。
「そこ、必要なのか」
肝心なところで甘さを欠くのが小笠原。
もう、ムカツクッ
「必要ですっ 何にでもケジメってあるでしょう!?
そうじゃなかったら、なんであたしを誘ったんですかっ
簡単についてくるからですかっ」
「ぷっ、お前全然簡単じゃねぇだろ。
これでも惚れた女を部屋に連れ込むのに試行錯誤してんだ。
ちょっとはわかれよ」
───え?
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