8676人が本棚に入れています
本棚に追加
/555ページ
「本当、素直じゃねぇヤツ」
と言いつつも。
ガシッとあたしの身体を抱え込んで。
「でも、面倒くさい女よりはいい。
我が強くって素直じゃない女は嫌いじゃないし面白ぇ」
「面白ぇって──」
どういう意味よ……。
がっくりと首が項垂れる。
「好きだってことだ」
落胆した後の不意打ち。
言った本人はゲームに勝ったみたいなドヤ顔をして。
「ケジメ、ついたか」
「あの、もう──」
「二回はなし」
「でも、」
「却下」
「だ、だってぇ」
「しつこい。そろそろ俺も限界」
「んっ……」
そう言って膨れるあたしの唇を塞ぐ。
なんの限界……、かは聞くまでもなかった。
濃厚なキスがその証拠。
深く深くあたしを追い詰め思考を奪われる。
「好きだよ」
最初のコメントを投稿しよう!