最終章

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攻防は続く。 でも、そこはソレ。 ちゃんと引くところはわかっていたりして。 「あれは崇先生が約束どおり詩子にちゃんと好きって言ったかどうかの確認を──」 ポロリと詩織が吐いた。 「二人でいつそんな話したのよっ   あたし聞いてないしっ」 「言えないよーっ!! だってあたしが勝手に心配して先生に問いただしただけだしっ」 「と、問いただすって何を?」 「なぜ詩子を担当から外したのか、てことよ。 だって納得いかないでしょう? ましてや、どんなことがあっても泣かないアンタが泣いてた日には、あたし黙ってられなくて──」 「泣いてたって……」 いつ!? いつ見られたの!? あたしの絶句に詩織が言いにくそうに口を割る。 「あー、……ごめん。 担当替えが言い渡された後、かな。病棟で噂を聞いて相談室に向かう途中、廊下で泣いてんの見ちゃった……」 バ、バレてる──。 絶対誰も来ない場所だと思ってたのに。
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