最終章

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「先生っ、泣いてたら普通あたしを心配するでしょ、そうでしょっ」 「そうか?」 「そうよっ」 「でも、相手はミツさんだぜ? どう考えてもお前が何かやらかしたって思うだろ、普通」 ……マジか。 ここで堪えきれず爆笑したのは多田室長。 「お前らサイコーだな」 はぁー!?  テンパるあたしを余所に男二人は楽しそうに笑ってる。 そうか。 なんだかあたし、からかわれたってことね。 この人たちは、傍であたしが泣いていたって誤解して揉めるような人たちではないってこと。 揺らがない信頼関係ができている。  チクショー。 やっぱり凄い。ちょっとその関係が羨ましい。 「さ、お迎えが来たんだから帰れ帰れ」 相変わらず淡々としてる室長。 「いいのか?」 当たり前のように返す小笠原。 「お前らのケンカに付き合ってる暇はない。後は二人で好きにやってくれ」 帰った帰った、とあたしと小笠原は追い出されるようにして、相談室を閉め出された。
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