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「──さん、下川さん!」
「!」
ガバッと顔を上げると目の前には鈴木主任の呆れた顔。
「もしかして、また寮でどんちゃん騒ぎ?
顔、むくんでるわよ。
あなたも大概にしないとね。
もう26でしょ?」
「す、すみません……」
さすが、……バレてる。
でも歳は言わない約束ですよ、鈴木主任。
ふらふらと立ち上がって眠気覚ましのコーヒーを取りにいくあたしを見て、
「よだれ出てたわよ」
「え!?」
「うそ」
澄ました顔で、ペロッとおちゃめに舌を出して。
「もう、脅かさないでくださいよ」
大袈裟に胸をなでおろすあたしを見て、主任は片眉を上げた。
これでもこの人、ピカイチのケースワーカー(医療相談員)であたしの尊敬する人。
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