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血の池が広がっている。
意志のなくした体から、未だに滴る血液の音しか、もはや聞こえない。
ふと、
見渡すと17体の遺体が自分の周りに散らかってた。
「…ふっ…」
思わず自嘲的な笑みがこみあげる。
何を今更。
"1人"を"1体"に変えたのは、自分自身じゃないか。
持っている武器に視線をうつす。
刃が血で元の色がわからなくなってしまっている。
最初に人を殺してから、もう13年もたつというのに、私はまだこの感覚に慣れない。
ーーーいや、慣れたくないのだ。
この不変の生活も、
人生も誉められたものじゃない。
そんなことを考えているうちに、聞きなれた足音がこちらの部屋に近づいてきた。
「……輝世様。こちらにいらっしゃったのですか。」
入ってきた長身の男は、橘紅<タチバナクレナイ>。
そしてこの紅から出た名前は、私の名前である。
なんか漢字的に男っぽいが、私は女。
にしても
輝世<キヨ>という名前は、どう考えても今の私の姿とはミスマッチすぎだなあ
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