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「……歯応えのねえヤツらだぜ」
夕闇の中、そう吐き捨てた台詞と裏腹に、男の顔に余裕はない。
普段であれば天を衝くほどに逆立っている蒼い髪も、汗と埃にまみれてへたり気味だ。
「だが……、数が多すぎる。状況が把握できん……」
蒼い髪の男にそう返すのは、短く刈り上げられた銀髪の男。
ふたりの周りには、無数の魔物の骸が散乱している。
何十匹もの魔物を相手に、ここまで戦い抜ける戦士はあまりない。
実際ふたりは、彼らが属する集団において双璧と称される戦闘力の持ち主だ。
しかし、そのふたりにしたところで、今の状況は想定外。
今、戦いの場と化しているここは…………、
本来、彼らと、彼らの仲間たちが生活を営む場所のはずだった……。
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