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守るべき者の元に生きて帰らねば、と決意新たにするふたりだったが、次の瞬間そこに姿を現した存在がその決意を吹き飛ばす。
歴戦の猛者であるはずのふたりの意識が一瞬固まる。
これまで“核”を持つ魔物と戦った経験はある。
しかし、今目の前のコレは、全てにおいて想像を遥かに越え過ぎていた。
全身に青白い炎をまとった一本角の鬼という姿は確かに恐ろしい。
だがそれ以上に、そこにいるだけで放たれる鬼気が怖ろしい。
ガイゼルの二倍程度の背丈でしかないのだが、十倍ほどに感じられる威圧感だった。
手下の魔物を倒されて怒っている様子はなく、ただ生きのいい獲物がいるな、という程度の感覚であろうのに、そこにあるだけで、戦意どころか意識まで刈り取られてしまいそうだった。
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