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キャスティンが目的地としたのは、多くの人が暮らす、この辺りでは最大の村のはずだった。
だが、今彼女の目の前に広がるのは…………、
無惨なまでに破壊し尽くされた家屋……。
これまで見たこともないほどの数の魔物の骸……。
元の状態が想像もできぬまでに焼き尽くされ、焦土と化した大地……。
ところどころに転がる白いものが、とてつもない超高熱にさらされ白骨化した人骨であろうことは想像に難くない。
少しずつ歩を進めるキャスティンの顔から表情が消えてゆく……。
彼女の故郷の村より、よほど大きな村であったはずだ。
ゆえに最初に寄ることにしたのだ。より多くの情報を得るために……。
「これじゃあ誰も……」
呟き立ち止まったキャスティンの靴の下で乾いた音がした。
それが子ども用の小さな器が砕けたためだと気付き、キャスティンの顔が曇る。
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