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「クゥちゃん!!!!!」
キャスティンの承諾の台詞を遮って、突如響き渡ったのは元気な女の声だ。
心配しているようにも、若干怒っているようにも聞こえたが、軽薄男クロイツの顔は引きつる。
頭のカチューシャもちょっとズレたようだ。
「まぁた知らない女の子にちょっかいかけてーー!」
続けて放たれた声は、飛来するブーツと共に訪れた。
振り向こうとした側頭部に直撃を喰らったクロイツが真横につんのめり、キャスティンは慌ててショートソードを引いた。
「ちょっ……、リオ姉、首切れたじゃんかー」
キャスティンが剣を引かねば、切れたどころではなかったはずである。
キャスティンの顔に浮かんだのは、多分に呆れを含んだ戸惑いだった。
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