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クロイツとロサリオの仲間であろうことは想像に難くない。
今の世界……、単独で動くのは正直得策ではないし、危険度の桁も違ってくる。
キャスティンのような存在こそ珍しい。
「相変わらず仲がいいのはいいが、時と場合ってものがあるんだけどな」
それは新たにそこに姿を現したふたりのうち長身の男の口から紡がれた。
男の名はヨシュア・セルブルグ。クロイツよりひとつ年上の二十一才。
この中では一番背が高く、並んで歩く隣の少女も低い訳ではないのだが、ヨシュアの二の腕までしかない。
「ヨシュアさん、羨ましいんですか?」
その少女──アイラ・ハイム──がわずかに笑みを含んだ声を発する。
そう、少女と言っていい。
十五才といえばこの世界では一応成人として認められてはいるが、本来こうして外に出る者はほとんどいない。
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