0人が本棚に入れています
本棚に追加
「美華子、直ぐ逃げろ!優ちゃんにバレた!
俺も荷物をまとめて直ぐ小樽駅に向かう。
1時半待っている!」
祐一からの電話に美華子は、身体中の血が頭のてっぺんに、ヴゥアーと昇るような衝撃を覚えた。サイドボードの時計を見たら1時5分。
待ち合わせの1時半迄に25分しかなかった。
呆然とする暇もなく、血の昇った頭から血がスーっと下がるにつれて現実の把握を物凄いスピードで行っていた。
小樽駅迄、徒歩で40分・電車で25分・タクシーでは、5~6分。
「2人子供は何処?」
恵ちゃんは下校し明子を連れて遊びに……。
探さなくては!!!
美華子は、団地の窓から公園を見渡した。
小学2年生の恵ちゃんが、5オの明子と友達の家行っているに違いない。
電話張を開いて電話のダイヤルを回した。
1件目…不在。2件目ルルル‥ルルル出た。
『もしもし、松田ですが、娘達が、お邪魔していませんでしょうか?』
『いいえ、いらしていませんよ。』
美華子は、あせりと心配でダイヤルを回し続けた。
5件目の受話機を置いた時、彼女の視線が、
サイドボート上の時計に、…。
1時20分。
1時半は、あと10分しかなかった。
祐一は1時半に小樽を離れる。
もう連格のつけようがない。
とり合えず小樽駅へ行って話しをしよう。
子供達は、小樽駅から帰ってから探そう、
と思い美華子は常備のバックにサイフを入れてドアの鍵はかけないで団地の坂道を降りながらタクシーを探した。
29ォの美華子は、額にウッスラ汗をかきながら速足で降りていたが、『アッ!』
目前に優のライトバンが。
万事休す。
最初のコメントを投稿しよう!