天翔る

現実

「こら！！近藤！上履き履いて帰っていいわけないだろ！」

意味が分からない。私が片手に持っている靴が目に入ってないの？

教師なんて皆そう。学校でイジメが公になるのが怖くて見て見ぬふりを決め込む。

自分の面子を保つ馬鹿。

もし公になったら知らなかったで突き通せばいいと思ってる。

「近藤聞いてるのか！？」

「すいません。靴が一足無くなって裸足じゃ帰れないと思って」

「全く。次からは気を付けるんだぞ！」

私は教師の横を素通りして学校の門を出た。

学校なんて楽しくない。
日に日に辛くなっていく。
イジメられてるなんて誰にも言えなかった。