トランジスタ

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コルターを無くす為に手を取り合った各国は取り合った手を血に染め合い始めた。 少年が作ったワクチンは一時的な平和をもたらし、使い方を間違えた人々が戦争と言う言葉を上塗りした。 マハラジウスを制作した国── A国は非常体制でこれを管理した。その時にはその国の王族よりも守るべきものだった。 B国は突撃部隊を駆使して奪おうとする。 C国はスパイを送り込んで内部からの略奪を試みた。 その様子を各国が伝えた。 トランジスタのテレビの中で── A国は厳重体制の中、マハラジウスを守ったのだが、それを守っていた人間が本当にA国の人間なのかは分からなくなる程、 A国はスパイだらけだった。 スパイ自身もこれを守れと言われ守りながらいつか隙をみて自国に持っていくこれをマハラジウスと信じていたが、本当にマハラジウスかも分からなかった。 A国はA国の人間を信じられなくなったのだ。 管理している人間全員が諸々諸国のスパイになってしまっていた。 そうなると誰一人として隙を見せる事が出来ず、 マハラジウスを国外の名前も無い島にひっそりと持ち出すと言い出したA国の大統領すらスパイではないかと波紋を呼んだ。
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