誰だって不幸ばかりじゃない

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でも何故か...嬉しい.. 優しくされるのが心地いい... ....殺したく..ない... "私は刺客なのだから..." いつもそう思い自分に言い聞かせていた でも心の何処かでは"殺したくない"と思っていたのかもしれない.. 私にはそんな事思う権利などないはずなのに... そんな自由.... あるわけがない... これが私の運命だから... これが私の定めだから... どう足掻いても... どうにもならない事だから... 「顔色があんまりよくねぇーみてぇーだな.. 大丈夫か?」 そんなに顔色が悪いのだろうか...? 考え事をしてたからかもしれないな... 「だ、大丈夫です。 少し考え事をしてただけですから...」 「考え事?」 坂田銀時は不思議そうに私の顔を覗き込んだ 「くだらない事ですので..」 本当にくだらない事だ どうして私はこんな事を考えてしまうのだろう? 自分でも分からない 何もかも分からない... 「....お前、何か隠してるだろ?」 「へ?」 ふいにそう質問された 「な、何も隠してなんか...」 この人に話したら楽になるのだろうか..? ...本当はこの運命から逃げ出したいって... ...本当は自由になりたいって.. 「全部、全部話したら楽に...なるの..?」 「..何がだ..?」 「あ...」 思っていた事がつい口から出てしまった.. 私は慌てて口を押さえた 「話してみろよ。話したら案外楽になるかもよ?」 「....」 私は少し考えた だって、殺そうと思ってた相手だよ? "私は刺客です"なんて容易く言えるはずがない でも何でだろう..? 不思議と話したくなる.. この人なら私の運命を変えてくれそう... そんな事を思ってしまう... こんな私は馬鹿なんだろう.. 大馬鹿なのかもしれない...
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