心優

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 相手を判別できた時、落胆と怒りで表情が歪んだ。 入ってきたのは真司ではなかった。 私をこの納屋に縛り閉じ込めた… (真司じゃない。アイツだ…。)  アイツは口を、もそもそと動かしている。 何かしゃべり掛けているのだろう。話を終え笑っていた。 「あ"あ"あぁぁぁ」 残っていたわずかな力を込めロープを振りほどこうと暴れた。  壁に映る影は、ぶんぶんっと上体を激しく揺らしていたが、やがて力なくうなだれた。 それを見ていたアイツは今度は全身で笑い始めた。  そして、私の背後で何かを始め、それが終わると、また、ゆっくりとした動きで扉を開け外にでた。
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