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少女は焼けるような喉の渇きを覚え、目を覚ました。
どれだけ寝れたのか、一日中寝ていたように身体は重く、すぐ目を覚ましたかのような疲れが残っていた。
子供にとってこの環境は耐え難いものだろう、大人でも数時間で音をあげそうだ。
疲れと乾きで満身創痍だったが、眼だけはしっかり前を捉えていた。
私の人生にとっての堪えるということは、それそのものでもあったから。
雑然とする納屋を見ていると真司の部屋を思い出した。
彼の部屋も、いつもゴミのようなものが散乱していて、私がそれを片付けていた。
真司は、それを宝物だと言っていたが、どこかで拾ってきたのであろう変わった形の石や木を宝だとは到底思えなかった。
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