記憶

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と、その瞬間…… 甲高い音共に、刀狩りの持つ青龍宝剣(せいりゅうほうけん)の全体が光だした。 「なっ、なんだ!?」 いきなり光だした刀に戸惑いを見せる刀狩りに、麻布の者もフードの中から少しばかり驚きをみせていた。 強く光輝く刀が刀狩りの手を離れ、空中分散したかと思うと、刀狩りの体に光がまとい、光で刀狩の姿が見えなくなってしまった。 「なんだ?何が起きてやがる。」 光の輝きが徐々に収まり、光の中から出てきた刀狩りの体には、藍色と金の装飾がされた西洋の騎士のような、きらびやかな鎧が身につけられており、それは一言で表すなら天空の龍騎士。 背中には被膜のある翼、鞭のような長い尻尾、顔を覆い隠すように被っている青と金色に輝く兜(かぶと)で、刀狩りの表情を伺うことはできなかった。 そんな自分の姿を見た刀狩りは、笑いが込み上げ、空に拳を掲げ叫んだ。 「は……はは……ふははははは!! すげぇ、すげぇぞ! これがセイリュウの力か! 力が、力がみなぎってくる!!」 そして、刀狩りは目の前の影人形と、その後ろにいる布切れの者に向かって叫んだ。 「てめぇもこれで終わりだな、散々余裕かましやがって、ぶっ殺してやる!」 青龍の力を身に纏った刀狩りは、先程までとは違って自信に満ちたように言うと、右手のひらを前に突き出た。 すると、刀狩りの右手の中から大剣と化した青龍宝剣が再び光を放ちながら現れた。 青龍宝剣を両手で握ると、刃を影人形に向け、刀狩りは背中に翼で羽ばたかせる力を利用し、電光石火の如くスピードで飛ぶように影人形との間を突進してきた。 「うらぁぁぁぁ、いくぞぉぉぉぉ」 振りかざした青龍宝剣をスピードにのせて降り下ろしてきた。 影人形が頭上で両手の刀で、青龍宝剣を受け止めたが、あまりの剣圧に影人形の体が沈み、影人形の足が地面にめり込む。 「ふははは、弱い弱いぞ、さっきの勢いはどうしたよ!」 なんとか青龍宝剣を振り払った影人形は、姿勢を立て直し、2対の刀を使い刀狩りに斬りかかっていくが、大剣とは思えない動きで、影人形の2対の刀を捌いていく。
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