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人と人ならざる者が、共存して住まう世界。
突如現れた《邪神(じゃしん)》を筆頭とする悪鬼(あっき)たちにより、世界は支配されつつあった。
大地は荒れ、雷鳴轟く空は、暗雲に立ち込めていた。
力の弱い人々は邪神の奴隷となり、自由のない生活を強いられていた。
そんな絶望の世界が長年続いたある日、邪神によって支配された世界を救わんとする4人の絶対神が、天界より現れ、邪神の前に立ち塞がった。
金色になびく羽織に、如来(にょらい)と書かれ、黒と金の着物を身にまとった4人の者たち
東西南北に邪神を囲うような形をとった4人の絶対神は、左手の指を立て、忍者を思わせるかのように、片手を顔の前で印を結ぶと、それぞれの魔言を唱えた。
耳を突き抜けるような甲高い音と共に、絶対神らの身体が輝き出し、邪神を中心とする四方を光が包み込んでいった。
光が邪神をのみ込み、絶対神と邪神とを覆う1つの大きなドーム状にまで膨らむと、邪神の奈落の底からのような叫び声が響きわたった。
神々の輝きが収まると、雷鳴は鳴り止み暗雲は徐々に晴れていった。
邪神のいた場所には一振りの刀が地面に突き刺り、暗雲の隙間から漏れる太陽の日差しが、邪神の封印された刀を照らした。
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