6人が本棚に入れています
本棚に追加
毎週、コーヒーと花を買いに来る彼。
彼に好きな人がいると知ったのは、私たちが名前を教え合ってから半年くらいしてからだった。
それは私には手遅れの状態で知った最強の壁だった。
私もバカじゃないから、誰かにコーヒーと花を買っているんだってことくらい知っていた。
けど、私は知らないフリをしてるしかなかったし、聞いちゃいけない気がしていた。
なのに彼は呆気なく言った。
「好きな人に誕生花を送りたいんだけど…誕生花用意出来る?」
そう聞かれた瞬間に私は勝手に片思いをして、彼が知らない間にフラれたのだ。
「いつまでにご用意すれば…」
言葉に詰まりながらやっとそこまで言うとテンションの高い彼は、あれこれと聞いてない話まで話してくれた。
あの日、私は今までにないくらい落ち込み泣いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!