◆傍観者と異世界◆

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「なんやどないしたん? 悠?」 馬車の中でごとんごとんと揺られながら、僕は目の前にいる男に話しかけられる 「いや、ちょっとね。これまでの経緯をおさらいしてた」 「? なに意味分からんこというとんの? トチ狂ったんか?」 この失礼極まりない、慇懃無礼を絵に描いたような男は、黒峰 空斗。現在の名は、リラン・フレアデット 紅色の目と髪。整った顔立ち。目はつり目気味。というか三白眼 八重歯が長い。まつげも長い。背は高い。筋肉質だが痩せている。そんな、とんでもなく高スペックの外見 中身は、よくある転生物の主人公のような奴だ 話を聞けば、神様のミスで殺され、力を貰ってこちらに転生。気が付いたら赤ん坊で、十三歳になった日に旅という名目の家出を決行 『とりあえずこの国一周して帰ってくるわ。気にしんといてな』という書置きを一枚残し、今、僕がいる国、名前は長くて覚えられなかったが、この国を回っている最中だそうだ 転生前は、関西に住んでいたらしく、その訛りがある。子供の頃は、その言葉遣いで周りを怖がらせていたそうだ。こっちには関西弁はないらしい 能力は、最強の身体能力と無限の魔力、全魔法の無詠唱行使、思想創造能力という、とんでもない奴だ
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