8310人が本棚に入れています
本棚に追加
それは何を隠そう、ただの事故であり、世界のゆがみ修正であり、世界のひずみ整備であり、なによりただの偶然という名の必然だった
言ってみれば好奇心。言ってみれば間違え。言ってみれば吸い込まれ
よくあるような、巻き込まれでも、勇者召還でも、ましてや神様の手違いやミスでもなく、ただ、そこに偶然たまたま居たから吸い込まれた、というような存続
それもまた運命。物語の一つ。そういえるなら言いたいところだが、僕は物語なんかに登場できる人物でもなければ、運命なんかに目を付けられる存在でもない
まあ、運命に抗おうともしない、ただの臆病者な脆弱者ともいえるんだけど
さて、僕がその、一生に一回体験できるか出来ないかの不可思議を味わったのは、つい昨日のことである。三十分前だろうが、零時を過ぎているのだから『昨日』であっているはずだ、と、いうのは嘘だが。どこからどこまでが嘘かは、諸君の采配に任せる。まあ、そのうち明らかにいはなるだろう
別にこういう出来事は、説明せずともみな脳内補完で分かっているのだろうが、これはこうあった、と説明しないわけにももちろん行かない
面倒なので読み飛ばしてもいいが、それは各自個人の判断に任せることにしよう。僕が知ったことじゃない
もはや覚える必要性もない運命の日。とは名ばかりの、ただの分岐点だった日
一応学生である僕は、学校帰りの黄昏道を、ただ一人で歩いていた。なにを隠そう友人が少ないのだ
最初のコメントを投稿しよう!