◆傍観者と街◆

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「いや、別に嫌いなわけじゃないんやけど・・・・・・、ほら、なんちゅうか・・・・・・」 なにやら言いよどむリラン 「わからへん? 地球のほうにも両親がいるやん? 俺。その所為か、あんましこっちの親を、両親とか思えへんのや」 ふむ そういえば、携帯小説なんかの転生系主人公たちは、そういうとこに無関心だったけど、やっぱりリアルだと複雑なんだろうな 僕は地球に未練はない。何故なら、友人は居たが形ばかりのものだし、親友などというモノは皆無、両親は顔も覚えてない。幼き日より死別している 育ての親の、親戚の人は、あくまで他人、必要最低限のものしかくれなかった。そして、必要最低限のものの中には、愛情は含まれて居なかった そんな世界に未練なんて残るわけもない。それに、一ヶ月もたてばこちらの世界になじむものだ。なじむ、というよりは慣れる、が正確かもしれないが 「そういうもんか」 「そういうもんや―――、おっと、ここや。ここが俺んちや」 リランが歩みを止めた。そこは立派な、立派過ぎると表現しても装飾過多ではないほどの、大きな屋敷だった 色は赤を基調にしているが、やはり中世ヨーロッパのような建築物。科学は未発達のようだ
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